3学期になると、年長ツバメは3回登山に挑みます。
つくし(年少)の頃は、なかなか動かずいつも最後尾にいたり、はたまた途中の階段で「もう、歩けな〜い!」と、背負ったリュックをクッションにして仰向けのまま動かない姿ばかり見せていた、今年のツバメたち。
大きなリュックを背負い、森を駆け回った3年間。
その集大成ともいうべき、ツバメだけの特別な行事、年長登山。回数を重ねるごとに、ルートが変わり距離も長くなる。
はて、今年のこどもたちはどんな風に
乗り越えていくのだろ?
冬休み明けから始まって、登山1回目は、はじめての緊張もあったのか、なんだか淡々と登る。あら?意外におとなしい…しんどいとも楽しいとも特になく…今年はこんな雰囲気?3回ともこんな感じなのかしら…??
登山2回目、いよいよ距離も長くなる。が、1回目とうってかわって、みんなぎゅっと固まってなんだかうきうき楽しそううに。はは〜ん、なるほど、1回目はお休みした子がいて、2回目は7人全員揃ったからかなあ。
夏キャンプをはじめ、年長だけの保育の時間を重ねる中で、少しずつ子どもたちの中にもこの7人で仲間って気持ちが生まれてきたんだなあと。1人欠けるだけで、なんだか雰囲気変わっちゃうのかもなあ。
そして最終3回目の登山。お天気もよく、まるでみんなを応援してるかのような日。朝から子どもたちは、なんだか表情も雰囲気も楽しそうだった。
実は、1.2回目とも予定時間より毎回遅く到着していて、しかも2回目登山から時間が空いてたので、はて、今回はかなり大変になるのでは?という思いが、大人たちの脳裏にはよぎっていた。
でもね、子どもたちは、そんなことを軽々と超えていく。
山中、地図があるたび、ここはどこだ?どれくらいの距離歩いた?何個山を越えた?って、みんなで集まっておしゃべりタイム。岩場があれば、登りたい!って言う子、葉っぱや石を集めたりする子もいて。普段の森と同じだねえ。
アップダウンの山道に、「もうエネルギーは、0.01%しかない〜」なんて言いながら、
お母さんたちが愛情たっぷりに作ってくれたお弁当を、暖かい日差しのもと、みんなで食べたらもう元気いっぱいに!!
「100%になった」「1000%まで充電した!」と、とても素直な(笑)子どもたち。
Hくんなんか、走り出したもんね笑。
激しい下りは一歩一歩自分で降り方考えて確かめながら、
大きな上りの岩場は、予想超えてスイスイと登っていく。
途中の下りでちょっぴり怖がってるTくんに、
「ここに足を置いたら大丈夫だよ。」とアドバイスしてあげるRちゃん。
山頂近くでバテはじめて遅れ気味なKちゃんを、迎えに行くHくんとTくん。
そんな優しい姿もちらほらと、声かけあって進んでいく。
そうそう、山の中ではうれしい出会いも。
「大きなリュック背負ってすごいね〜」とたくさんの登山者の方に褒められ、テレテレに。
また、ある時は、突然子どもらしき大きな声で「ヤッホー!!」が聞こえてきた。おや、こんな山の中に、自分たちと同じ子どもがいる?と、大声で叫び返す。それを繰り返しつつ上にあがると、そこには名古屋から来たリュック背負った同じ年長の子どもたちの姿が!お互い聞こえたよー!頑張ろうねーっ!って励ましあえたね。
そんな中、
「あー小学校行きたくないなあ。嫌だなあ。こにわ(こどもの庭)がいいなあ」とふとつぶやく子も。「なんで大変なのに、登山しなくちゃいけないの?!」なーんて言うけれど、山をずんずん歩いてると、いつの間にやらそんな卒園前の揺れる心もぽろっと出てくる。子どもたちとそんな思いを共有できるのも、この長〜い登山のおかげ。小学校に行っても、仲間と一緒に過ごしたこの時間、心の奥に残るといいなぁ。
そしてそして…
あー、もうすぐパワーがなくなりそうってときに、とうとう山頂に着く!やったー!!
山頂に着いたら、写真を撮るのが定番になったツバメたち。
山頂では、ベンチに並んで座って山頂からの景色を見てる姿や、あそこはどこかなあとスタッフと話す姿が毎年見られる。登りきったときの、ちょっとほっとして解放されたような姿が、みんなとてもかわいい。なんだかみんな揃ってやり遂げた達成感と安心感が、何も言葉で表さなくても、この瞬間ふわぁ〜と、山頂の景色とともに広がる気がする。
元気のもとをチャージした後は、さあ、みんなが待つ下山口へ。途中最後の休憩ポイントで、3回の登山とも電車が通るのが見えた。3回とも電車が見れるなんて、みんなラッキーだねー、いいことありそうだねーなんてうれしい気持ちで、最後の急な下りに挑む。
突然強風が吹いてきて寒さもましだけど、
下で待ってくれてたお母さんお父さん、こどものにわの仲間たちの温かい声が聞こえてきた途端、またパワーアップ!
おかえり〜
頑張ったね〜
出迎えてくれるみんなの笑顔に包まれて
みんないい顔になった。
長かった〜!
楽しかった!と、感想もいろいろだけど、
ご褒美でもらったお母さん手作りのメダル、
どの子もとても似合ってたよー。
あんなにつくしのときは、歩けなーい!歩かなーい!と
寝転んで動けなかった子たちが、
やり遂げた登山。
ただの登山じゃなくて、
3年間ここで過ごしてきたものがいっぱい詰まった
今日なんだろうなあと、
子どもたちの成長を実感する。
いつかふと この日のことを思い出すこともあるかな。
小学校に行ったとき、大人になったとき
この日のことが こどものにわで過ごした3年間が
心の拠り所になりますように。
この登山に立ち会う大人の私たちも、
こどもたちからたくさんの笑顔と幸せをわけてもらえた。
ほんとありがとう。
可愛く楽しいツバメさん。
どうか残りの時間、めいっぱい楽しんでね。
ちなみに、ヤッホーの岩場で叫ぶ子どもたち。
今年叫んだ言葉は
なぜか「チャーハーン!」 「熊が出るぞー!」でした 。
さすがに、「熊が出るぞー!」は、他の登山者さんたちにリアルに聞こえたら、イソップ物語みたいになるから、こらこらと止めましたけど 笑!
子どもたちの発想は、おとなたちをほんと超えていく!
スタッフ かも かず しほ
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